パセーム誕生の経緯

2010年7月、社会福祉法人伸こう福祉会から開発要請

開発担当者の写真

開発担当者の写真

2010年7月、社会福祉法人伸こう福祉会から寝具メーカー㈱丸八真綿への寝具の開発要請により、共同開発が始まりました。この共同開発に至った背景は、介護施設などの睡眠環境の改善には『高齢者にとっての最適な寝具開発が欠かせない』との共通認識によるところからでした。

日本は超高齢化社会へ進んでいます。日本褥瘡学会の調べによると、日本には2010年時点で、寝たきりの高齢者だけでも約170万人いるといわれています。ところが、寝たきり高齢者は一日のほとんどの時間をベッドの上で過ごすにも関わらず、その睡眠環境についての問題提議はほとんどなされていませんでした。

その原因は、介護事業者は限られた予算での運営を迫られていること。そして、多忙を極める介護スタッフの実情です。介護事業者としては、寝具リースやリネンサプライだけに潤沢な予算を掛けられず、供給側のリネンサプライヤーはコストダウンを求められます。結果として、機能性や品質よりも耐久性を優先し、コストパフォーマンスの良い商品だけを提供せざるを得ません。つまり、寝具の品質向上や快適さの追求は後回しとなってしまっているのです。

社会福祉法人伸こう福祉会の足立理事長は、以前よりこの問題に疑問を持ち、ベッド上(寝床内)が生活の場となっている寝たきりの方にも、『もっと快適に日々を過ごしていただきたい』との想いを抱きました。しかし同時に、多忙な介護スタッフにこれ以上の負担を強いることもできないという想いもありました。そこで、介護施設に入居する高齢者にとって快適で、なおかつ介護者にとってもベッドメイク等の作業負担が軽減できる寝具の商品化とその普及を目指し、寝具メーカーである㈱丸八真綿に開発を要請されました。

要請を受けた㈱丸八真綿は、同社グループ会社の中で新しいビジネスモデルを積極的に手掛けている㈱ハッチを開発幹事として任命しました。
時を同じく、㈱ハッチの代表取締役 安田も、昨今大きな社会問題となっている少子高齢化に伴う「超高齢化社会と介護の問題」において、寝具を通して広く社会に貢献できるビジネスモデルを模索しておりました。よって、伸こう福祉会 足立理事長の想いに共感し、開発要請から間もなく、共同開発プロジェクトチームを立ち上げることとなりました。

こうして介護のプロと寝具のプロによる、理想の寝具の共同開発が始まったのです。